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主にAWS関連ですが、これに限らずいろいろ勉強したことや思ったことを書いていきます。

顧客の要求を満たすとはどういうことか? [cloudpack OSAKA blog]

ナスです。たまには真面目に考えた(思い出した)ことを書こう。

こないだ自分で書いた記事と半月くらい前の日経ビジネスの記事の2つを読み返して思い出した話を書く。

nasrinjp1.hatenablog.com
business.nikkeibp.co.jp

提案依頼が来た

とあるお客さんが関東の震災の後に、DR(災害対策)サイトを準備したいということでうち(と言っても前職の時の話なので前の会社)に提案依頼が来た。ざっくりとした内容は、クラウドを使って提案してほしい、DRサイトを作りたい、異常発生時には特定のポイントまで復旧できること、って感じだったと思う。数年前の話なので、半分くらいは嘘かもしれない。

提案内容を決めた

読み取った内容から、確かこんな構成で提案したと思う。私一人ではわからない部分もあったので、数人で提案書を書いた記憶がある。

  • 本稼働サイト+DRサイトともにAWS上に構築、DRサイトのデータベースのデータはログシッピングである程度同期する
  • DRサイトは常時起動するとお金がもったいないので、時々起動してデータベースのトランザクションログを適用する

当然1社だけで提案というわけもなく、幾つか他社も提案していた。残ったのはこちらともう1社の計2社。

さてどうなったか

割と完璧システムだぜ!ってな感じに仕上がった構成とともに提案して「これは取れたかな?」と思っていたら不採用。みんなマジで!?みたいな感じだった。相手の提案内容は確かに金額は安かったけど、構成がものすごく"しょぼかった"のでこれ大丈夫か!?みたいな。(とこの時は思っていた)

顧客はどう思ったのかの考察

さて、この後理由を聞きに行ったような気もするけど、あまり覚えてない。でもその時の上司が相手の提案内容をシェアしてくれたのは覚えてる。確か内容はこんな感じ。

  • なんかのツールを使ってバックアップを取る
  • そのバックアップを使ってDRサイトをいつでも作れるようにする

これで提案してるということは、実際にこれでDRサイトができるんだろう。このツールのことはあまり覚えてない。
正直、これにやられたんか…と思ってたけど、この後に上司からなぜうちは採用されなかったのかの考察メールが来た。さすがに前職のメールは残ってないけど、確かこんな感じだったと思う。

  • 顧客は確かにDRサイトを望んだけど、DRサイトが欲しかったわけじゃない。災害時に業務を継続させる仕組みが欲しかっただけ。
  • うちの提案だと直近までデータ戻せるけど相手の提案内容だとある程度までしか戻せない。でも不足分は再度従業員に入力してもらうなどの手段はある。災害時なので、データが最新かどうかはあまり重要視されていなかった?
  • ということを考えると、確かにこのツールだけでもいいのかも。
  • 顧客の現場の人は辛いけど、顧客の経営陣からしてみればこっちの方が内容・金額ともにベターな案だった。

もうちょっと考えた結果をわかりやすく文章で伝えてくれたけど、言いたかったのはこういうことかと。

顧客の要求を真に理解するのは結構難しい

結局のところ、こちらの提案が贅沢すぎたんですね。最初に挙げた日経ビジネスのリンクにも「2種類のイノベーションの“状況”」って図があって、性能が高すぎてメリットが感じられないのと同じで、災害時の対策としては大げさすぎて「確かにすごいけど、そこまでいる?」ってなる。巷ではDR!DR!って言ってるからDRサイトが欲しいって文章になっただけで、それがなぜ欲しいのか、本当にそれが欲しいのかを理解できなかったというわけ。

まぁ何が言いたいのかって、顧客がこれ欲しいって言ってる内容と、本当に必要なものは同じとは限らないってこと。